「暗がり坂の陽光」

川瀧　夕莉奈さん　泉中学校３年

［選評］
主計町の暗がり坂を描いた叙情性豊かな作品です。写真のように描こうとする傾向が強い昨今の風景画の中で、自身の主観に基づいた観察眼を大切にしたことで繊細な色彩世界を表現できました。左手前の黄に対する中央右の赤屏がとても美しいです。

「心に残る燈ろう流し」

［選評］
今年は行われなかった灯ろう流しですが、いつまでも心に残る夏の思い出を素直に表しています。夕方の川面に浮かぶろうそくの明かりもうまく描けています。

「城下通り」

［選評］
兼六園脇の茶店の並びを色鉛筆を用いて色彩豊かに描いています。観察もていねいです。観光客にとってもこういう茶店は貴重な存在です。

「西茶屋街に行ってみまっし」

［選評］
西茶屋街をしっかりとした遠近法と色使いで描いていて落ち着いた金沢の一角を感じさせます。
紅ののれんがこの絵を魅力的なものにしています。

「金沢の歴史をつなぐ梅の橋」

［選評］
２度の水害に会いながらも市民の熱意で再建された梅ノ橋は伝統を大切にする金沢の誇りです。
その木製の橋の姿をていねいに描いていてとても好感の持てる作品です。

「静かな茶屋街」

［選評］
東茶屋街の裏通りの金沢独特の狭い路地をしっかりとした筆使いで描いていて、窓ガラス、メニュー、石畳、電線などにとても細やかな観察眼が感じられます。

「水と緑の兼六園」

［選評］
堂々とした兼六園のたたずまいが感じられる作品です。苔むした地面、光を帯びた水面、かりがねの石、遠望できる山など見事な表現です。

「祭の日の鼓門」

［選評］
百万石まつりの出発式の太鼓の乱れ打ちの様子ですが、時が静止したかのような静けさを感じさせる不思議な絵です。つづみ門の描写は秀逸です。

「兼六公園の大木たち」

［選評］
紅葉して色付いたのでしょうか、普段は兼六園の脇役の樹木たちが燃えるような赤や黄などの色彩を奏でる様子が力強く描かれていて活き活きとした絵になっています。

「金沢　和の緑」

［選評］
誰もが知る「ことじ灯ろう」とその周りを、色と形の豊かな色面を組み合わせて、絵にしか描けないような世界を描いたところがこの作品の魅力です。

「金沢城」

［選評］
青空にそびえる城かくを堂々と描いています。細部ははぶいて大きな空間を太い線でしっかりと描いたことが力強さを出しています。

「静かな自然がいっぱい兼六園」

［選評］
兼六園には木々やコケ、石、池など様々のものがみごとに配置されていてどこをとっても絵になるところばかりですね。水の深い紺色に浮かぶにしき鯉がとても印象的です。

「神苑の光と影」

［選評］
一見写真や印刷と見間違えるほどに精巧にボールペンで描かれていてその熱意には驚かされます。光の表現が上手く画面から清涼感があふれ出ています。