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金沢を描く絵画コンクール
後援:金沢市教育委員会

第21回絵画コンクール 入選発表

こどもたちに絵画を通してまち博に参加してもらおうと2002年に始まった作品コンクールは今年で21回を数えます。 今回も金沢のまちなみや営みがイキイキと描かれた力作が勢ぞろいしました。その中から選ばれた、優秀な作品を発表いたします。金沢美術工芸大学名誉教授 前田昌彦先生による審査の結果、大賞1点、準大賞1点、開催委員長賞1点、奨励賞1点、入賞11点が選ばれました。

「金沢のきれいな風景」

大賞寺山 比奈 さん 高松中学校1年

[選評]
霞ケ池に浮かぶ内橋亭をツツジ越しに見て、その静かな佇まいを卓越した水彩技法で表しています。水面の半濁したような透明感、樹木の奥深い緑、水亭の古色などの暗濁色に対比して手前のツツジを鮮やかな清色で引き寄せる手法は秀逸です。全体に硬くならずに描かれたしなやかな筆致にも水面を渡る微風を感じます。

「犀川の遡上」

準大賞浅沼 桂秋 さん 紫錦台中学校2年

[選評]
大変ユニークな迫力と魅力のある作品です。街中の川にまで鮭が産卵のために上がってくるその生命力とそれを受け入れる金沢の水環境の良さなど、この絵を見る人にさまざまな思いを抱かせてくれる表現力を感じます。生き生きとした筆使いと躍動する色彩は作者固有の優れた感性に裏打ちされたものでしょう。

「かがやく金沢文化」

開催委員長賞小川 いずみ さん 兼六中学校1年

[選評]
構想画として金沢の新しい牽引力となった「かがやき」に加賀友禅、加賀手まりといった伝統文化を組み合わせて、好みの色調の中に上手く融合させて表現しています。平面的になりがちな題材を奥行き感のある絵画として描き出す技量はなかなかのものです。筆使いの集中力と寒色と暖色の階調の作り方は見事です。

「兼六園」

奨励賞柳清 愛斗 さん 兼六中学校1年

[選評]
空間のスケール感を感じさせる力強さを持った作品です。水彩絵の具を不透明に使って色面の出入りのみで奥行きを構成したことで、写真的な表現になりがちな構図を完全に自身の世界として表しています。陽光や季節感もさわやかに伝わって来るところに作者の健康な感覚を感じます。

入賞「石浦神社」

多田 菜保子 さん 泉中学校3年

[選評]
とても丁寧な下書きの線描が見る人を惹きつける魅力があります。樹木をすり抜けて降り注ぐ木漏れ日も的確に捉えられています。鳥居のあざやかな朱色はこの空間が厳粛な神社境内であることを想起させます。

入賞「ことじとうろうの日常」

中村 茉稟 さん 泉中学校3年

[選評]
手堅い描写力で複雑な景色を描き切りました。絵の具のぼかしやにじみを使った手法は樹木、水、空などの柔らかな表現に効果を発揮しています。手前の石橋の影を色に置き換えて描いたところも効果的です。

入賞「あたたかいおもてなし」

由井 理央 さん 高松中学校3年

[選評]
ひがし茶屋街のぼんぼりや街灯のあかりを実によく描いています。明かり窓から漏れる室内の光もうまく捉えられています。それらのあかりを引き立てている夜空の深い濁色が特に美しいです。

入賞「あかり坂」

喜多 絢音 さん 高松中学校2年

[選評]
主計町のあかり坂を真摯に観察し、不透明な絵の具層でしっかりと描いています。建造物に当たる光の効果をうまく使って逆光の壁と明るい階段を対比させた構図が成功していると思います。

入賞「金沢の景色」

表野 愛佳 さん 高松中学校1年

[選評]
緑と黒の扱いがとても美しい作品です。不透明にした絵の具をかすらせたりして枝葉を巧みに描いています。一転してせせらぎの表現は薄塗りで水の透明感を表していて、その対比が作品に快いやすらぎ感をもたらしています。

入賞「兼六園」

月岡 実花 さん 兼六中学校2年

[選評]
実に丁寧な観察と彩色がなされている落ち着いた作画姿勢が感じられる作品です。水彩絵の具の透明性を生かした繊細な作風が霞ヶ池のモチーフとよくマッチしています。石橋は薄塗りにもかかわらず質感がよく出ています。

入賞「夜に輝く尾山神社」

綿村 燈 さん 北鳴中学校1年

[選評]
堂々とした神門のライトに輝く壁を的確な薄塗りで光を表現する一方、樹木を点描によって街灯に映える緑葉を表しています。明るい黄緑から深緑に至る階調や空の青の配色がとても良いと思います。

入賞「けんろくえん」

五天 美桜 さん 大浦小学校6年

[選評]
ことじとうろうや石橋、かすみが池、樹木や庭石などすべてを色のかたまりとしてリズミカルに描いたことで動きのある力強い作品になりました。色の下にのぞく黒の下書きの線も効果的です。

入賞「日本の和室」

吉田 夏帆 さん 大浦小学校6年

[選評]
赤紫から赤、橙、黄などの色がハーモニーをかなでて画面をうめています。一番あざやかな赤を中心に置いたことで印象的な作品になりました。最後に置いた白コンテの線描が生き生きとした動きを生み出しています。

入賞「灯ろう流しの夜」

馬場 光冴希 さん 大浦小学校6年

[選評]
簡略化した黒の下書きで形が区切られて切れ味の良い作品になりました。うす黄色がろうそくの光をうまく表しています。川面の青も夕刻の空を思わせます。人を描きこんだことも良いと思います

入賞「菖蒲公園で勝負」

水上 琳斗 さん 大浦小学校6年

[選評]
ウオッシュと呼ばれる技法で絵の具を洗い流していてユニークな色の世界を表現しています。木橋を端に寄せたことで絵に動きが出ました。作者の色感の良さが感じられ、とらえ方が意欲的で良いと思います。

【展示会場】北國新聞赤羽ホール(南町2-1)1階交流ホール前にて、全作品を展示します。

展示期間:7月23日(土)~7月31日(日)10:00~17:00